2018/6/13

ゼロから大学入試化学を固めるのに必要な時間は?

「これまで定期テスト対策すらちゃんとやってこなかったので、ほぼゼロの状態なんですが、これから本格的に、大学入試に向けて頑張りたいと思います。間に合いますか?」

当塾に最初にいらっしゃる生徒さん、もしくは保護者様に一番多いご相談はこういった内容です。特に、高校2年生の間にご相談に来るパターンが一番多いです。(遅い方では高校3年生、もしくは浪人中の方もいらっしゃいます)

もちろん科目によっても異なるので、一概には言えませんが、まずは私自身が指導していて最も詳しい化学(化学基礎+化学)についてお話ししたいと思います。

化学は、学校準拠問題集(セミナー化学、エクセル化学、リードαなど)ではだいたい30~35章程度の構成になっています。

まずは、毎週個別指導を受けながら進めて行く、という前提で話をしましょう。
例えば、週1回2時間の授業を受けるとした場合、1回の授業で平均1章ずつ進むのが、私が指導する場合の一般的な進度です。週1回の授業を受けて行くとすると、全範囲を1周終えるのに、約35週かかります。1カ月=4週とすると、35÷4=8.75カ月ですが、余裕を持って約9カ月としておきましょう。(実際は1章終えるのに2週以上かかることもありますし、復習回が必要な場面もあるため)

1週間平均1章進むとした場合、全範囲1周終えるのに、約9カ月かかる。

というのが結論です。では、9カ月で成果が出るの?と言いますと、残念ながら、ほとんどの生徒では成果は出ません!1周しただけでは、知識は固まりません。学んでから時間が経った知識は抜けてしまっています。ですので、どんなにできる生徒でも、最低限もう1周する必要があります。(この場合、使用する問題集は1ランク上の入試実戦問題集です)

では、2周目はどのくらいかかるのか?

2周目に必要な期間=1周目の半分強 というのが私の経験です。ですので、約5カ月としましょう。

また、実際のケースでは、2周目を終えた時点で、すぐに志望校の入試問題で合格点が取れるという生徒は半分もいない程度の割合です。3周目に過去問演習をしつつ、苦手単元を埋めて行く、というのが理想形です。3周終えれば、ほとんどの生徒に成果が表れてきます。ただ、3周目は約3カ月程度はかかります。

ここまでで、

【1周目】9カ月
【2周目】5カ月
【3周目】3カ月
【合計】1年5カ月

です。入試時期=高校3年1月とすると、高校2年の8月から開始しないと間に合わない計算になります。

もちろん、これは授業内で基礎的な知識も説明をして行く前提なので、予習で(=自力で)進めて行ける場合は進度は早くなります。ただ、私が指導してきた経験から言えることは、学校の授業をしっかり聞いてきた生徒は予習型も可能ですが、そうでない生徒だと、かなり難しいでしょう。

その他、なんとかして早める方法としては、

「2倍のペースで進める」

という方法があります。これも不可能ではありません。ただ、注意点があります。上記の「1週間に1章進める」という場合には、「1日3時間×週3日=週9時間」の自習時間を前提としています。

ですので、もし「1週間に2章進める」という場合、週18時間(=9時間×2章分)の自習時間が必要となります。ちなみに、この場合の達成目標は、あくまで「問題集の問題が80%以上の正答率で解けること」ですので、もっと少ない自習時間でそれができるという方も当然います。ただ、これまで100名以上の生徒さんの化学を個別指導で指導してきた経験から申し上げると、どんなに理解度の低い生徒でも上記の目標を達成するためには、1章につき週9時間程度の自習時間が必要です。

そうすると「1週間に2章進める」という計画は(ただ進むだけでは全く意味がないので・・・)そう簡単ではないことがおわかりいただけるかと思います。

最後に、ここまで書いた化学の学習計画は、自習でも当てはまります。ですので、参考書を読んだりまとめたり、スタディサプリやYouTubeの映像授業を利用しながら進めることも可能です。もしかしたら理解力のある方はもっと早い進度での達成が可能かもしれません。

ただ、私は職業柄か「理解力の低い方でも、そしてゼロからでも学力を上げるには・・・」というところに最も関心があるため、そのような前提で書いています。

大学入試の知識は膨大なので、入試問題で安定して得点できるためには、物理的な時間というのは絶対的に必要、ということをご理解いただければと思います。

<この記事に登場する参考書>
セミナー化学
エクセル化学
リードα

究進塾代表 : 並木陽児

大学受験の化学を教えています。趣味は読書とカレー食べ歩き、野球観戦(ベイスターズファン)、子供の遊び場開拓。1児の父として子育てしていることから、最近は幼児教育にも関心を持っています。

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