2022/5/19

大学の選び方

受験生や保護者様の相談に乗っていると、行きたい大学が定まらず、迷走しているケースに出会うことがあります。

そこで、理想的な選び方をご紹介できればと思います。

まずは、私がこれまで見てきたケースを、多い順番にご紹介します。

①大学名で選ぶ
「東大を目指したい」「なんとしても早慶に行きたい」「少なくともGMARCHレベルには・・」
こういった声はこれまで非常に多く聞いてきました。
これは進学校の生徒に特に顕著なのですが、「なぜなの?」と突っ込んで聞くと、「なんとなくかっこいいから」「学校の雰囲気的に・・・」「親がそう言うから」とかなり曖昧な答えが帰ってきます。

そして、保護者様からも、本当によく聞くご希望です。保護者様には正面から「なぜなんですか?」とは聞きにくいのですが、話の流れで出てくる理由は「そのくらい出ておけば就職にしても進学にしても、選択肢も広がる」「それくらいは出ておかないと・・・」「優秀な方がいるので刺激を受ける」というご意見が多いです。

いまだ多くの大企業が大学名でふるいにかけている現状を鑑みますと、これはこれで現実的な選択とも言えるでしょう。

何より、私自身も受験生のときは「東大ブランド」を全く意識しなかったと言えば嘘になりますので、十分に理解はできます。

ですが、私の指導経験上、大学名に固執することは、プラスの面よりも、マイナスの面の方が大きいと思います。

プラス面はもちろんあります。それは、高い目標を設定することで、モチベーションを上げるという面です。

一方で、マイナス面は次のような要素があります。

まずは、「この大学でないとダメだ」というこだわりのせいで、大学に入るまでに何年も足踏みしてしまうケースです。医学部などの場合は、その学部に入れないと医師への道がないということで仕方ありませんが、ほとんどの学部(理工学部や経済学部、商学部など)では、大学でその内容を学ぶという点では大学名は関係ないはずです。そういう意味では、入れる大学に入って、大学の学業を頑張って、よい成績を獲得して、大学院で行きたい大学に進学した方が合理的です。ですが、大学名に固執して「こんな大学じゃ行きたくない」と拘るあまり、何年も足踏みしてしまうというのは貴重な人生の時間がもったいないと思います。

また、せっかく大学に入っても、肝心の授業内容が自分の興味・関心とズレているという可能性があります。学科の内容を吟味せずに大学名に惹かれて進学したばかりに、大学に入ってから学業に情熱が向かず、留年してしまうケース、さらには中退してしまうケースもあります。

もう一つマイナス面に言及しますと、これからの時代は特に自主性や独自性、専門性が問われる時代なので、大学名単体の価値はますます薄まって行くはずです。

以上をまとめますと、大学名で選ぶということは率直に言って、おすすめしません。

②学科で選ぶ
この方法が正攻法だと思います。学科で選ぶことの一番の強みは、自分の興味・関心と、大学で学ぶ内容が一致している点です。大学名で選んだ場合と比べて、大学の本来の教育目的と合致しているので、学業に身が入り、成績にもつながります。つまり、好循環が生まれます。

それでは、どうやってそれを見つけて行けばよいのでしょうか?
具体的な手順としては、次のようなものがあります。

・大学のウェブサイトで情報を集める

各学科のカリキュラム、研究室のホームページや教授陣の研究内容を見て行く作業です。今すぐにでも手軽にできます。

・オープンキャンパスに足を運ぶ
昨年まではコロナ禍の影響で一律オンラインという大学がほとんどでしたが、今年(2022年)からは再開している大学が増えてきています。実際に大学に足を運んでみることで自分に合った学科を見つける可能性があります。

自分に行きたい学科を探すには「何を学びたいのか?」「どんな学問に興味があるのか?」を突き詰めて行く作業となります。これはいわば自分と向き合う作業なので、少なからず骨が折れますし、面倒な作業です。が、やはり人生の重要な進路を決める場面ですから、ここはじっくり時間と労力をかけて、一生懸命に考えるべきところです。

この方法であれば、大学に入る前に何年も足踏みして貴重な人生の時間を費やしてしまうこともないですし、大学に入ってから「こんなはずじゃなかった」とむなしくなる可能性も低いです。もちろん、関心が別の内容に移ってしまうことはあり得ますが、仮に関心が薄れたとしても、自分の動機と行動を検証して次に生かせるので、無駄にはなりません。

よくある例は以上の二つです。②の方法で選べば十分ですが、さらにおすすめしたいのは、次の③です。

③弟子入りしたい師匠を見つけて進学する
自分の関心がある学問・分野の師匠を探して、その師匠に弟子入りするつもりで選ぶというのは最も理想的です。

これは、坂口恭平さんというアーティストであり、作家でもある方がブログの中で紹介していた方法で、私も初めて読んだときは「こんな方法があったか!」と感服しました。(詳しくこちらをご欄いただければと思います)。

正直なところ、私も坂口さんと同じ建築学科出身なのですが、恥ずかしながら自分が受験生のときには「弟子入りする」というほど具体的なヴィジョンを描いておりませんでした。また、これまで教えてきた生徒さんで、「〇〇教授に弟子入りしたいんです」と明言した方には出会ったことがありません。

それぐらい非凡で、稀有な視点だと思います。ですが、ここまで明確な動機があれば、受験勉強にも大きな助けになるはずですし、入ってからの学業へのモチベーションも高いまま維持できるはずです。

ですので、この記事を読んでいる受験生はぜひとも③の方法を目指してみてはいかがでしょうか?

究進塾代表 : 並木陽児

大学受験生に化学を教えています。趣味は読書と野球観戦(ベイスターズファン)、カレー食べ歩き、子供の遊び場開拓。1児の父として子育てしていることから、最近は幼児教育にも関心を持っています。

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