2019/1/31

浪人生は受講開始時期で合否が決まる?

前回に引き続き、大学入試を1年後に控えた受験生で、センター試験50%に満たない(言い換えると、教科書レベルにも穴がある)生徒が、1年後に難関大学に合格するための、適切な開始時期についてお話したいと思います。

当塾では医学部、獣医学部を目指す方が多いのですが、こういった学部は2月上旬には前期入試結果が出ます。その時点で、合格(※医学部の場合は1次合格)が一つもない場合は、客観的に見れば「今年の志望校合格は非常に難しい」という判断になるはずです。(後期試験は定員が少なく、狭き門なので・・・)

講師の立場から申し上げると、この時期から来年度に向けてスタートするのが最も効果的です。

その理由は2つあります。

①入試までの期間が長い
教科書レベルに穴がある場合、まずはそのレベルをクリアすることが第一歩です。そのための期間は、科目差、個人差がありますが、通常3カ月~6カ月程度かかります。仮に大手予備校の開始と同様に4月から開始した場合、どんなに早くても7月、時間がかかる方だと10月までかかってしまいます。そこから、入試レベルの演習→過去問と進んで行っても入試には間に合いません。

ちなみに、大手予備校の授業は4月から始まりますが、これは3月までに教科書レベルが固まっているという前提があります。ですので、もしも大手予備校に通うのであれば、3月末までに教科書準拠問題集はスラスラ解ける段階にしておかないといけません。この視点がないままに、3月まで後期試験の合格の可能性をあきらめきれずに、自分のレベルに合わない過去問にチャレンジしていても、効果は薄いですし、翌年の入試の合格の可能性まで減らしてしまいます。

②よい講師に空きがある
各科目について「基本がおぼつかない生徒さんを引っ張り上げるには、この先生がイチオシ」という講師が1名もしくは2名います。逆に言えば、よい先生を揃えていると自負している当塾でも、代表の私が自信を持っておすすめできる講師は非常に限られるということです。
(もちろん、これはあくまで「基本ができないレベル→難関大学レベルまで引き上げる」ことについての特性です)

念のため断っておきますと、自信を持っておすすめしたイチオシ講師が、必ずしも100%期待していた通りに合格させられるとは限りませんし、また、逆に、イチオシ講師のコマが全て埋まってしまってご紹介できない状況の中で「今空いている先生の中では、この先生がベストかな」とご紹介する講師が期待以上の結果を出すこともあります。

こればかりは生徒と講師の相性も影響する部分があるので、私が予期していなかった奇跡的な出会いによって、生徒の成績・学力が飛躍的に伸びることもないわけではありません。

その上で、確実に言えることは、イチオシ講師は人気があるため、例年、早ければ2月中、遅くとも3月前半にはほとんどのコマが埋まってしまいます。

ですので、3月後半に入塾を希望された場合、高い確率で、イチオシ講師はご紹介することはできません。そういった場合は(もちろん他の先生方も優秀ですし、各々強みがあるので)次に最善の選択を探すわけで、その結果、合格する生徒さんもいます。また、傾向的に「優秀な生徒は講師を選ばない」ということも事実ですので、結果的にイチオシ講師でなくても志望校に合格する例は毎年あります。

ですが、「際どいところだったけれどギリギリ合格した」「厳しいと思っていたけど、予想外に合格した」という生徒については、ほとんどがイチオシ講師が担当していたケースです。

以上の2つの理由から、浪人生の場合は、毎年2月までに入塾された方の方が、3月以降に入塾された生徒よりも合格率が高い、と言えます。(現役生については、学校の進度など、より複数の要素によるため、必ずしも当てはまりませんが・・・)

逆に、例年、5月以降に浪人生(※再受験生を含む)の方からお問い合わせいただくケースもありますが、このようなケースでは、当塾でお手伝いしても、経験上、上手くいかないことが多いです。それは、入試に向けてのスケジューリングに出遅れているか、もしくは方針転換を余儀なくされているケースだからです。

例外的に「1科目(または2科目)だけ苦手科目があり、それだけは予備校の授業でついていけないので、その科目だけ個別指導で対策してほしい」という、補強するべき点が明確なケースはお力になれますが、3科目以上の場合は、まず厳しいでしょう。

もちろん、「それでも何とかしてほしい」とご依頼を受ければ、可能な限りは最善を尽くそうとするのですが、これまでご希望に添えず、悔しい想いや心苦しい想いをしてきました。

その経験から申し上げられるアドバイスとしましては、もしも今年の志望校入試の結果が残念な結果だった方は、反省と分析をした上で、来年の入試に向けて何をするべきかを早めに計画して行動した方がよいでしょう。

そして、もし当塾でお手伝いする場合は、2月から開始することをおすすめします。

究進塾代表 : 並木陽児

大学受験の化学を教えています。趣味は読書と野球観戦(ベイスターズファン)、カレー食べ歩き、子供の遊び場開拓。1児の父として子育てしていることから、最近は幼児教育にも関心を持っています。

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