2023/2/13

私が浪人したときの話

皆様、入試結果が出てきたころでしょうか?

志望校に決まり喜んでいる方もいれば、思ったところに受からず途方に暮れている方もいることでしょう。

今日は私自身の浪人が決まるまでの経緯と浪人生活について少しお話ししたいと思います。

私は現役のとき、早稲田大学理工学部建築学科を目指していました。ここが実質的な第一志望でした。そして、私がいた巣鴨高校は国立大学受験方針が強く、国語は嫌いではなかったため、国立大学は東大を目指していました。ですが、今思えば、かなり緩くしか勉強していなかったこともあり、数学、物理、化学は大幅に足りていませんでした。(ラジオでナイターを聞きながら勉強していたり、今思い返しても「受かるわけない」、密度の薄~い勉強でした)。実際に受けた模試では、東大はもちろん、早稲田もE判定でした。

それでも、「なんとかなるだろう」と甘い展望を抱きながら受験に臨んでいたのですが、最初に大きなショックを受けたのは、滑り止めで受けたつもりの芝浦工大で不合格通知のハガキを見たときでした。そしてセンター利用で受験した東京理科大学も不合格。そこから立て続けに慶應大学、早稲田大学も不合格。

特に早稲田大学の合格発表については今でも鮮明に覚えています。
当時はネット発表ではなく、掲示板または電話の音声での発表でしたので、特に行きたかった早稲田大学の発表は会場まで足を運びました。そして掲示板に自分の番号がなかったときは絶望しました・・・

頭が真っ白になって、しばらく立ち上がれず、意識がもうろうとする帰り道には電車に飛び込むイメージが一瞬頭をよぎった記憶があります。

たしか早稲田の合格発表の前日か当日に東大の前期日程を受けたはずですが、その手ごたえも芳しくなく、もはや退路が断たれた感じはしていました。ただ、何とか浪人は避けられないものか?ということで、後期試験は東工大に出願することにしたんですね。今考えれば明らかに絶望的な挑戦なのですが、当時は何とか奇跡を信じていました。

そして、3月10日までの2週間で、現在は絶版になっている駿台文庫の数学の典型問題集「野沢の基本演習」を一気に解きました。

教える立場になって客観的に振り返ってみると、この時期にそんな基本的なことをやっていて東工大に受かるはずないんですね。合格するレベルの人は過去問を中心にやっているべき段階です。
実際、私も東工大の過去問を数年分は解いた記憶はあります。ですが、全く歯が立たなかった。
そして、それまで受けた入試を振り返ると、東大、早稲田、慶應、そして、芝浦工大でも数学はできませんでした。そして、ようやく典型問題に穴があることに気が付きました(遅すぎますよね・・・)

その2週間は、その年度で初めて、一心不乱に取り組んでいた記憶があります。

ただ、残念ながら奇跡は起きませんでした・・・。そして、浪人という現実を受け入れざるを得なくなりました。このときは不思議と現実が見えてきていて、覚悟と言いますか、心の準備ができていました。

当時は現在のように個人情報が厳しくない時代でしたから、自宅に各予備校のパンフレットが沢山届いていました。私は少人数制の予備校と、大手予備校のパンフレットを見比べながら迷っていましたが、最後は講師がよさそうな大手予備校に決めました。

東工大の後期試験から1週間ほどで入塾テストがあったのがよかったのか、東工大の後期試験と同じく英語、数学、国語の3科目のみというのがよかったのか、運よく一番上のクラスに入ることができました。そこからは講演のような大人数制授業を楽しみながら、淡い片思いと失恋も経験しながら浪人生活を送ることになりましたが、その次の年に東大に合格するに至ったターニングポイントを今振り返ると、国立前期試験~後期試験までの2週間にあるのではないかと思います。

この2週間で、大幅に足りていなかった数学の典型問題の演習に取り組んだことが、予備校の上のクラスにつながり、予備校の前期授業についていけるようになる、そして数学の成績向上への大きな要因になったと思います。

教える立場になってみると、典型問題が解けないまま大手予備校に入り、ついていけなくなるケースがとても多いことを痛感します。

また、2月末までで燃え尽きてしまうのか、3月は丸々休みにして、4月からスタートという方も多いです。

これを踏まえて、私が伝えられる教訓としては、次の二つです。

・浪人生活は3月にスタートを切ることがとても大切(ここで大きな差がつく!)
・3月に各科目の基礎固めを行う。数学、理科系科目(物理、化学、生物)であれば、典型問題が解けるようにする。

さらにもう一つ、やや精神論的なアドバイスになりますが、次のことも言えます。

・不合格通知を見たときの悔しさをこの一年間忘れなければ、きっと雪辱を果たすことができる

今回の入試で悔しい思いをしてしまった方が、一年後に必ずや笑っていることを信じています。

究進塾代表 : 並木陽児

大学受験生に化学を教えています。趣味は読書と野球観戦(ベイスターズファン)、カレー食べ歩き、子供の遊び場開拓。1児の父として子育てしていることから、最近は幼児教育にも関心を持っています。

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