2020/2/15

適切な距離とは

早いもので、今年も2月です。

国内の話題はコロナウィルスでもちきりですが、少なくとも「ストレスなく、しっかり寝てしっかり食べる。手や顔を清潔にする。」ということが、どんな疾病についても最大の防御だと確信しています。季節がよくわからない今日この頃ですが、みなさまにおかれましてはくれぐれもお気をつけください。

さて、本日の内容は「適切な距離」についてです。

これは主語を変えればどんな関係についてもそれぞれに「適切」の意味が異なってくるとは思います。

私どものような業態ですと、「教育業」ではありながらそれ以前に「サービス業」なので、生徒さんとの距離感については絶えず気を配っています(いるつもり、かもしれません)。

例えば、私は男性なので、女子生徒さんとはなるべく一定の、物理的な距離をとることを心がけています(心理的にも離れてしまいがちなので注意が必要ですが)。逆に女性の講師としても、男子生徒との距離については気を使っているはずです。

しかし、畢竟、生徒さんと私たちは「他人」でありますからそれまでの話ではあります。

難しいのは、保護者さまと生徒さん、言ってみれば「身内」の距離感です。

よく「親子は他人の始まり」と言いますが、そうはいっても私どもが接する生徒さん(おおむね受験生)と保護者様の関係というのは、まだ未成年であることも多く、民法上契約を締結するのも保護者様であることが殆どです。そうなると、やはり何かしら「距離」についてのお悩みをお伺いすることも多いのです。

例えば、「家では全く勉強しないので、自習室に閉じ込めたい」というようなお話を頂戴することもままあります。その場合は是非そうして頂けると、こちらとしても授業以外の学習の状況が容易になるので、助かるわけですが…。

多いのは、「勉強しているのかどうかわからない」ということですね。これはかなりの割合を占めるご相談です。それは、すでに「ある程度の距離が生じている」状況とも言えます。そしてこういうときに、保護者様から「『勉強しろ』というと反発される」わけですが、これはある程度当然と言えます。なぜなら、述べたように「ある程度の距離が生じている」にも拘わらず、その距離を「何の下準備もなしに飛び越えよう」ということでもあるからです。そうなると、生徒さんとしては「いきなり何だろう」とか、「自分のペースを守らせてほしい」とか、いずれにせよ疑問と反発が生じてしまうのもやむを得ないことです。

ではどうするのか、と申しますと、段取りや外堀を埋めるやり方についてはケースバイケースなのですが、「勉強面については外注していただく」ということに尽きようかと思います。すなわち、勉強場所は勉強場所で、例えばゲームセンターであったりお洒落で高額なカフェであったりと、学習に問題が生じない限りは、またあまりに治安上問題がないようであれば、生徒さんの自主性を尊重していただくことです。

また、勉強の内容面については「塾と学校」に丸投げされた方がうまくいくでしょう。丸投げというのは、「勉強しろ」ということを含めて、というより「勉強しろ」という言葉については保護者様からではなく、私どもを通じてお伝えいただきたい、ということです。私どもは良い意味で「他人」ですから客観的なことを指摘されても、生徒さんからすると受け入れやすく、またそう言われたときに思いがけない悩みが見つかったり、言いにくかったご要望が言いやすくなったりと、私どもにとっても収穫は少なくないのです。また、生徒さんに対する提案をする際にも、感情的になることも少ないため、波風は立てずに済むことが多いです。

特に、受験学年であると、生徒のみなさんは「見た目以上の」プレッシャーにさいなまれているものです。「親の気持ちに応えよう」と口には出しませんが、思っていない生徒さんは少ないです(当塾の場合)。また、「自分ではできるだけやっている(つもり)」である、と言ったときに、感情的に不安定になりやすいのです。

そんなとき、お家でゆっくりしたいときに、「勉強しろ」と言われるのは、ある種逃げ場をなくすことでもあります。

保護者の方々からすれば、「結果が出ない」ということで焦りもあるでしょうし、「もっと勉強してほしい」ということも当然思われることだと思います。そんな時は、是非塾も学校も使っていただき、「こういうことを伝えてほしい」とお声がけいただければ、よりみんなにとってストレスのない環境ができるように思っています。

講師:粕川優治

横浜みなとみらい校校長。1977年生。上智大学文学部社会福祉学科卒業。大手塾などで指導経験を積み、英語、国語指導に熟練している講師でありながら、教室長としても活躍中。

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