2020/4/4

こんな時だからこそできる勉強法

 各種報道、いろいろな自粛、休校の延長…。皆様におかれましては日々ストレスがたまり、「勉強どころじゃない!」とお考えの方がいても仕方がない状況が続いています。
 私どもとしても、公立校の休校期間がかなり伸びていて、かつ今後の見通しが立たないために、大学入試共通テストをはじめとして「入試のスケジュールについても、これまでにない混乱が生じないだろうか」と危惧しています。また、平素の生徒さんの学習もままならないのを見るにつけ、申し訳ない、また何とかしたいという思いが日に日に募っていきます。

 そんな中、学習コンテンツがオンラインや、いろいろな形で普及していくのは良いのですが、大学入試のスケジュールや方針が現段階では何も変わっていない以上、実のある、受験に通用する学力を付けてもらうことが我々の職責であり、その意味で多大な危機感を覚えています。

 そこで、例えば「オンラインで得たもの」をどう定着させていくか、また「暗記」をどうしたプロセスで進めていけばよいか。こうしたことについては今、この場で共有させて頂きたいと思います。

①「写経」をやめて、「自分をテスト」する。
 特に英単語や漢字、その他地歴公民科目の学習において、「写経…ただ機械的に『◎回書く』」といった学習をされる方は多いものです。書くことによって全く得るものがない、というわけではありませんが、書くことが「目的」になってしまいますと、一定以上の効果は見込まれません。また、紙の無駄にもなりかねません。
 記憶には手順があります。
 ●脳にストック済の情報になるまでは「見る」「口に出して言う」「目を閉じて再現できるかどうか確かめる」など、自分にとって一番記憶に残る方法を探しましょう。
 ●次に、自分で自分の「小テスト」を作ります。これは「まだ覚えきれてない」段階でも大丈夫です。テストを作る作業が既に脳に情報を注いでくれています。
 ●そして、いろんな形で脳を刺激し続けてきて、80%くらいの自信がついたら、自分で作ったテストに解答します。
実はこの「解答作業中」が最も大事です。実際にテストに臨むと、「覚えやすいもの」と「覚えにくいもの」とが差別化されていきます。
 ●「覚えにくいもの」こそを、このサイクルで何回も脳に叩き込みましょう。

②「見て終わり」を卒業して、アウトプット中心の学習に切り替える。
 授業動画や、VOD学習では、見事な解説がされたり、今までには気づけなかった点をしてきしてもらったりと、メリットが沢山あると思います。しかしながら、それは「先生が見事に解いている」だけであって、皆さんが「解けるようになった」わけではないのです。
 動画でも参考書でも、「理解できた」と思って次に行ってはいけません。
 特に数学などの科目ですと、鮮やかな解答法にあこがれてしまうのはやむを得ません。しかし、その後が肝心です。共通テストは記述式こそ見送られたものの、数学1Aの試験時間が70分になるなど、解答の「プロセス」や「発想そのもの」を問うてくる可能性が高いです。こうしたときに、公式に当てはめたり、いろんな解法を「知っている」といった学習は殆ど役に立ちません。ましてや二次試験や私立受験ならなおさらです。
 自分が「試験場で解答する」というイメージを持って練習する以外にありません。
●動画や参考書を見る場合、「自分になかった発想」「抜けていた知識」を明らかにしておくこと。ここが最も大事です。
●「見て終わり」にならないように、「どうすれば自分で再現できるか」をメモする。
●参考書・動画を見たら「類題」を探してみる。
●ある程度自分が「理解した」と思ったら、類題を用いて「再現」してみる。
●再現した結果、五分五分であれば1からやり直す。ある程度できていた場合でも、「再現できなかった箇所」についてはやり直す。

③自分で「ストーリーを解説」してみる
 国語や英語といった、文字テキストが主体になる学習の場合、ある程度長くなる傾向にあります。共通テストでは、英語筆記は実質読解問題のみになりました。こうしたことを受けて、というわけではなく、文章問題については「どうやって復習すればいいのか分からない」と以前から生徒さんからよく聞かれました。そうした場合は、次のような手順で、今までとは違う復習法を実践してみてください(実際には指導者の先生方に必ず確認してください)。
●文章の中で、知らない単語や表現があれば、辞書(オンラインでOK)で調べます。
●素読(内容を考えて)します。1回で良いです。
●段落ごとに、なるべく簡潔に「1センテンス・1文」で要約して表現してみます。
●漢文や英文であれば、音読をしておきましょう。
●最後に…ここが一番大切です。身近な人に、文章の内容をストーリーとして「紹介」してみましょう。このとき、紹介し終わって「何それ読みたい!」「気になる!」という言葉がもらえたら、あなたもストーリーテラーです。自信をもってください。

 実際には、「受験生」といったところで各科目の理解度、また物質的な環境、その他全ての面で異なります。当たり前ですね。人間は「違う」からこそ謙虚になるべきだしリスペクト(敬意)が必要なのです。ですから、今回の記事が「当たり前じゃん。今更何言ってんの」という風にしか見えない人もいるでしょう。
 是非、自分と身の回りの人のことを最優先に、しっかり食べてしっかり寝て、勉強も「結果が出た」と感じられることだけを、こつこつと続けていきましょう。

講師:粕川優治

横浜みなとみらい校校長。1977年生。上智大学文学部社会福祉学科卒業。大手塾などで指導経験を積み、英語、国語指導に熟練している講師でありながら、教室長としても活躍中。

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