2024/6/25

【川崎医科大学附属高校対策】英語のおすすめの参考書と活用法!

こんにちは。究進塾 編集部です。

今回は、川崎医科大学附属高校の入試対策についての解説です。

受験を検討されている方に向けて、参考書選び、そしてそれを使った学習方法を紹介します。

後半には、実際に参考書の問題を使った解説もありますので、ぜひ参考にしてください。

📝この記事のポイント
・参考書、問題集は何を使えばいいのか
・おすすめの参考書から、1問を解説
・今まで合格した方々は、これをどう使っていたのか

はじめに
こちらの記事は、究進塾の講師、日野敏彦先生の解説動画を参考に、解説しています。音声を聞ける環境の方はぜひ動画をご覧頂き、日野先生の講義の雰囲気を掴んでいただければと思います。

動画紹介
【究進塾】医学部受験チャンネル
【川崎医科大学附属高校対策】英語のおすすめの参考書と活用法(所要時間: 32分08秒)

日野 敏彦 講師

早稲田大学教育学部英語英文科言語学専攻卒業。豊富な指導経験による英語知識を駆使し、どんな英語の質問に対しても、落ち着いた声で優しく答えてくれる講師。受験英語だけでなく、ビジネス英語・TOEIC対策もこなすオールラウンダー。ジャズと空手が趣味の、温和な性格の持ち主。

 

 

使用する問題集・参考書

主に、以下の2つの参考書を使って、川崎医科大学付属高校の英語の対策を進めます。

①『BUILDER』(参考書 兼 問題集)

「BUILDER(ビルダー)」は、参考書と問題集を兼ねたものです。

こちらの教材は、見たことがある方はあまりいないかもしれません。塾や予備校にしか販売しない専用教材です。残念ながら市販はしていないからです。学校にも置いていません。

専用教材というからにはかなり工夫がしてあります。

②『有名高校への英語』(参考書 兼 問題集)

こちらは有名な本です。しかし、おそらく見たことがある方はいないと思います。

『有名高校への英語 -国公立附属高校一流私立高校受験対策用- 』という、名前からしてすごいですが、今まで見た中では、難度あるいは問題の選び方からいって、まさに最高レベルのものといえます。

この教材は市販していますが、古い参考書問題集なので、一般の本屋さんにポンと置いてあるわけではありません。探すか、あるいは注文しないと手に入りません。

③単語集

この2つを主に使って英語の対策を進めていきます。その他に、単語の対策も必要です。

単語集の選び方ですが、川崎医科大学付属高校を受験する場合、一般の中堅私立高校用の単語数では少し足りません。高校一年生レベルまでを「読めて、日本語が頭の中に思い浮かぶ」という状態になるまで、頭に入れておく必要があります。

単語集は必須です。単語集は、今たくさんいいものが出ています。

④熟語集

その次に、熟語です。

高校受験に出てくる熟語というのは、まあまあ限られていて、大体200くらい、と思っていいと思います。

ただ、熟語というのはある意味、単語以上に、入試の得点に直結します。違う言い方をすれば、

・覚えていれば点が取れる
・覚えていないと全然わからない
・見たこともない熟語だと全く点にならない

そういう、0か1かの世界です。

そういう意味では、熟語は吟味した上でやる必要があります。

これもいろいろ熟語集は出ています。

しかし、市販のものは一長一短あるため、日野講師の授業では、日野講師がオリジナルで作成した熟語集を使用しています。

この熟語集は大体200語くらいで、川崎医科大学附属高校の入試で過去に出た熟語をもとにしています。若干、高校のレベルに入る程度の難易度の語も含まれています。

⑤基本文法

基本文法については、最初に紹介した『BUILDER』を使用します。

「21 現在完了(2)」のページです。こちらの左ページの方に解説と例文が書いてあります。

この参考書問題集の特徴というのは、このように簡潔にまとめてあるということです。

初めてこれを見ただけでは「現在完了って何だ?」となってしまいますが、これを解説することによって、次に、右ページの確認問題に取り組みます。

これは「確認問題」というぐらいなので、左ページに解説してあることをそのまま書けば正解に結びつく、というレベルのものです。

学校の定期試験レベルだと思ってください。

もちろん学校によってレベルは様々ですが、一般の公立中学の定期試験(期末テスト、中間テスト)の、基本レベル程度です。

ですから、これはできて当然です。

さらに、『BUILDER』の最も良いところは、その次の「基本問題」です。確認問題の次に、基本問題という項目が掲載されています。

この基本問題は、確認問題ができた上での応用問題となっています。ここでは、①、②というのはそれほどの難度ではありませんが、注目すべきは③です。

<③現在完了の文の同意表現>次の各組の英文がほぼ同じ内容になるように、   に適する語を書きなさい。

つまり、書き換えの問題ですが、この書き換え問題が、川崎医科大学の入試では1つのポイントです。

しかも、かなり大きなウェイトを占めるポイントになっています。

〇実際に例題を見てみよう

例えば、良い例として、(1)、(3)を取り上げてみていきます。これは決して、応用問題でも何でもありません。

(1) Kenji has visited Canada three times.(訳:ケンジは、カナダに3回訪れたことがある。)
∟  Kenji Canada             three times.

「行ったことはある」、つまり現在完了の有名な形です。ただし「Kenji」は三人称単数なので、答えは次の通りです。

(答) Kenji Canada has   been   to  three times.

です。

 

ところが、(3)になると、過去形で書いてあります。

(3) Yuri went to London, and she is still there.(訳:ユリはロンドンに行った。)
∟  Yuri         to London.

1文目を見ると、

「Yuri went to London(ユリはロンドンに言った)」
「and she is still there.(そして彼女はまだそこにいる)」

過去と現在が混じっています。

このように、現在完了の本質的な意味は「過去と現在が混じってる」というところです。

(答) Yuri  has   gone  to London.


💡ポイント:(1)と(3)の違いは?

(1)と違うのは、

(1)の場合:「行ったことがある」= 今はまた自分の家などに帰ってきている
(3)の場合「行ってまだ向こうに今まだいます」= 帰ってきてない状態

「帰ってきていない」という表現で「行ってしまった」、つまり完了です。

これを表現するときに、「Yuri」は三人称単数なので、「has gone to.」 となります。

・「have been to」
・「have gone to」

この違いをよく理解して、ちゃんと上の部分を書き換えられるか、という問題でした。

入試問題の構成とやるべきこと

先程の解説の例題は、極めて簡単なものです。このレベルが川崎医大学附属の試験で実際に出るか、というと

「まずこのレベルは当たり前に出ることもある」

といえます。そして、長文の中には普通に出てきます。ですから、

「基礎レベルの文法をまず固める」

これがまず必要です。

そして「次に何をするのか」と言うと、川崎医科大学のレベルの問題をやるわけです。

基本的なところを確認しておきます。

入試問題の構成

川崎医科大学の、英語の問題構成は、次の通りです。

・リスニング
・長文
・英作文
・文法

非常に重視されている内容は、

・文法の書き換え
・前置詞の穴埋め
・文法面

このようなものです。前置詞の穴埋めなど、感覚、理解がちょっと難しいものも重視されます。

さらに、長文に特徴があります。長文と言えないような長さで、「中文」という言葉があるとすれば、それが一番適当な表現だと言える程度の、文章の長さです。

超難関校には1000語程度の長文が出題されますが、そういうものでは決してありせん。

そのため、いかに文法の設問で落とさないかが重要になります。

文法の設問で使用すべき参考書(例文解説あり)

では、これへの対処が『BUILDER』でカバーのできるかというと、少し足りません。『BUILDER』の後ろの方に、その対策的な部分も掲載はありますが、補うには足りません。

なので、『BUILDER』の次に使うのが『有名高校への英語』です。難易度は『BUILDER』よりも遥かに高いです。

画像を見てわかるとおり、文法の解説というのはほぼなく、問題が単元ごとに並んでいます。

まず、出題されている出題校です。問題文の右側に出典が記載されている高校の名前だけでもすごいことがわかります。

・中央大附属
・早稲田高校
・開成(高校)
・筑波大附属
・慶応
・御茶ノ水付属高校
・広島大学

このように、いずれも難関の高校から問題を取ってきている書籍です。

この画像は、be動詞に関わる単元を選んで掲載していますが、例えばこれらの問題が、初見で全部できるという方は、中学生ではおそらくいないはずです。もっと言うと、例えば高校1年~2年生でも、この問題をさらっと全部正解する人は珍しいと思います。

そのくらいのレベルであり、「パターン化されているものだけど、ちょっとコツがいる」というものです。

〇実際に例題を見てみよう(2)

問題をいくつかピックアップして、見てみましょう。

(1) I have nothing (  ) (  ) (  ) . Lend me your pen.(中大付属)
「書くものがありません。ペンを貸してください。」

日本語訳が記載されているので、やりやすいといえばやりやすいです。

「書くものがありません」の中で、「I have nothing」までは書いてあります。

では、「書くもの」ということで、単語を探してみると

・nothing
・something
・anything

が考えられます。そうすると、思いつくこととしては、

「“冷たい飲み物が欲しいです”と同じようなパターンだな。〜thingの次に、“冷たい / 温かい”と同じような形容詞があって、その次に不定詞が来るんだな。」

というところまで、考えられると思います。例えば、「何か温かい飲み物が欲しい」という場合には、

「I want something hot to drink. 」

です。

「to drink」というのは、「飲むもの」ということです。そこまではいくと思うんです。

今回の場合、「hot」にあたる形容詞はないので、その後の単語を同じように入れてみます。

「書くもの=to write」なので、

I have nothing ( to ) ( write ) (  ) .

となります。では、この残った3つ目の( )はどうするのか、というと、解答は次のようになります。

(答) I have nothing ( to ) ( write ) ( with ) .

この「wtih」は、「道具のwith」と呼ばれる用法です。「〇〇で書く」というのを、「with 〇〇」で表します。

これは、一般的な学校の文法レベルでは、高校1年くらいで正式に教わるものですが、川崎医科大学附属高校の入試では普通に出ます。

 

同じような表現として、1つ例を見てみましょう。

(例) 「私は住む家がある」を英語に直す。

この場合、「I have a house to live」で止まってしまってはダメなんです。

(答) I have house to  live   in .

住む」は、「to live in」になるんです。そこまでやっていないと、ちょっと太刀打ちできないです。

〇実際に例題を見てみよう③

(2) The man lived (  ) (  ) ninety years old. (早稲田高)
その人は90歳まで生きました。

これは、見たことがある人もいると思いますが、すぐポンッと浮かぶ方は多分いないのではないかと思います。

「その人は90歳まで生きました」=「The man lived」「90 years old」

これは、不定詞の用法の中で「結果を表す不定詞」というものです。

不定詞には、3つの用法があります。

名詞(的)用法
②形容詞的用法
③副詞的用法

③副詞的用法の中に、「結果を表す不定詞」というものがあります。

結果を表すto不定詞っていうのは実は5種類あるんですけども、この5種類全部というのは高校に入ってやるものですけども、その中にやっぱりこの「90歳まで生きました」

「結果を表す不定詞」の中でも、これはやっていないと、川崎医科大学附属高校では、正答にたどり着けない、というところです。

💡不定詞の用法

「その人(The Man)は長生きして、その結果、90歳まで生きた」ということで、解答は以下のようになります。

(答) The man lived ( to ) ( be ) ninety years old .

「to」が入ります。そして、「その90歳です」=「The man age 90 years old. 」なので、「be」が入ります。

〇実際に例題を見てみよう(3)

(11) This game is easy (  ) (  ) (  ) (  ) (  ) . (お茶大付高)
このゲームはやさしいからだれでもできる。

まず、この日本語をヒントに( )を入れます。

英語は「This game is easy」=「このゲームは優しい」までは書いてあります。

「だから誰にでもできる」を記入するのですが、この部分で「え?どうなるの?」という方が多いはずです。

日本語がヒントにはなるものの、そのままは入れられません。直訳調では答えが出せない問題です。

これはどういう問題なのかというと、「このゲームは優しいから誰でもできる」という日本語を見た瞬間に、

「英語のどのパターンを使うか」

というものです。例えば、「非常に〇〇なので、〇〇できる/できない」というのがあります。

できない系のものは、

「to…to:〇〇過ぎて〇〇できない (例文:to difficult to do)」
「so …that:非
常にso以下なので、that以下」
「できる/できない:can / can’t」

では、これを使って考えてみます。

まず「to…to」だと「誰にでも”できない”」になってしまうので使えません

次に「so…that」を使おうとすると、入れられないことがわかります。「so」を入れる位置というのは「easy」の前と決まりがあります。

では何を入れられるのかというと、今回の場合は、「so~that」の後ろに「〇〇できる」というパターンの書き換えです。

「enough to ~:十分~で/非常に~なのでできる/~できるほど十分~」

を使います。

そして「誰でもできる」も入れなくてはいけません。

普通なら、「This game is eazy enough to do.」と書けば、「このゲームは十分易しくてできるよ」という意味の英文になります。

では「誰にでもできるよ」はどうなるかというと、これは、1度やったことがないとできない問題です。

(答) This game is easy ( enough ) ( for ) ( anyone ) ( to ) ( do ) .

(解説)
「is enough to」の後に「to」が入ります。
図式的には、その後に「できますよ」という不定詞「to + V」が来ます。

そして「誰にでも」は不定詞の文法用語でいくと、「不定詞の意味上の主語」というものが当てはまります。

「it for to (+人など)」の構文です。

これは何かというと、「it for」と「it for to」と覚えていると思いますが、この「for」というのは、実はここで

「for 人 to V 」

のワンセットになっているんです。「この人がこうすること」というのを、ここで表しています。

ということは、不定詞の「不定詞の誰がする」というのは、「for 人」を入れてあげればいいということになります。

「enough for anyone to do」
十分   for  人   to  V

これは、相当難しいです。

「it for to」というのを覚えていて、「enough to do」と組み合わせられるかどうか、組み合わせた問題やったことがあるかどうか、ということにかかっています。

このレベルまでいくと、他の参考書ではまず載っていません。これはもう、大学入試に出てもおかしくないレベルです。

こういった問題を、この『有名高校への英語』では扱えます。かなり問題数はありますが、全部やればいいというものではありません。

受講生の実力、そして川崎医科大学付属高校に出やすい部分を考慮して、授業では進めていきます。

川崎医大附属で出題されやすいポイント

出題されやすい内容は、本来授業内でお伝えすべきところですが、一例を少しだけご紹介します。

「書き換え」

例えば、川崎医科大学附属高校で重要なポイントとなる「書き換え」の問題ですが、以下の書き換えはできるでしょうか。

「富士山は日本で一番高い山だ」

これは、4種類の書き換えが可能です。(実際には、書こうと思えば5~6種類書けます。) 

そしてもう1つ、書き換えの例はこちらです。

「彼が亡くなってから2年になります」

細かく分けると5種類書くことができますが、長文や書き換え問題に出てきたときに、こういう問題ができるか、というところがポイントとなります。

こうした部分を、川崎医科大学付属の対策では重点的にやっていきます。

それに使う強力な武器が、この『有名高校の英語』という問題集です。

「長文」

もう1つ忘れてはいけないのは、長文の対策です。長文とはいえ、400~500語くらいであり、中文という表現があったとしたら、それが当てはまる程度の長さです。
(※補足:「中文」という言葉は存在しますが、中国語の文章を指す、あるいは「中国文学」「中国文学科」の略であり、「中くらいの長さの文章」を表す語ではありません。

この長文問題は、記述式の箇所がすごく多いです。

内容は、日本語で説明する「語訳」よりも、「日本語でこの箇所の内容を説明する」という問題が非常にあります。

しかし、医科大付属だからといって、医療系の話題が多いわけでもありません。

一般的な長文については「どういう内容のものが出てきても、できるようにする」ということは基本なので、生徒さんそれぞれのレベルにもよりますが、一般的な学習の流れとしては、次のようになります。

長文に慣れてない生徒の場合
公立高校の長文 → 中堅私立 → 難関校レベルの練習

公立高校の長文というのは、教科書レベル~教科書をほんの少し超えたレベルを指します。また、難関校レベルの長文というのは特に大変なところが多く、例えば御茶ノ水大附属高校、慶應女子の長文となるとかなり難しいので、そこまではいきません。

その辺りは避けて、川崎医科大学の難易度に相当するもの、中大附属、灘高の一部の問題などから選別して、長文の最後の仕上げにかかります。

おわりに

以上が、川崎医科大学附属高校の入試に使う教材、単語・熟語・文法・長文対策の解説でした。

 

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究進塾 編集部

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