2023/10/10

生物の新課程の変更点&おすすめの勉強方法を解説!

こんにちは。究進塾 編集部です。2023年から新課程となり、教科書の内容に変更がありました。

今回は、生物担当の松本先生に「生物の変更点」や「おすすめの勉強法」についてお話を伺いました。

並木先生
究進塾塾長。今回のインタビューアー。東京大学工学部卒業。担当科目は化学。

松本先生
北海道大学水産学部生命科学科卒業。医学部受験をはじめ高校生物の指導経験が豊富。見識が幅広い。担当科目は生物。


並木先生

こんにちは。究進塾の並木です。
本日は、生物の松本先生にお越しいただき、新課程の生物についてお話を伺います。よろしくお願いします。


松本先生

よろしくお願いします。

大きな変更点は?


並木先生

まず最初に、旧課程から大きく変わった点について伺います。


松本先生

生物基礎と生物がありますけれども、2023年4月から、特に生物の方が圧倒的に大きく変わりました。

大きな変更点
今まで最後から1~2番目に掲載されていた「進化」が一番最初に来ます。これには「生命の歴史を学んでください」という意図がありますけれども、さらにこれだけではないんです。

第1章に含まれる内容
生命の進化、生物の生命の起源から始まり、生物界の変遷、地球環境の変化などが来ます。そして遺伝子(減数分裂など)の話が入ってきます。
あと、染色体同士が交差する「乗り換え」という現象や、それによって新しい遺伝子型が生じる遺伝子の組み換え。そういう内容がここに入っています。


松本先生

染色体の乗り換えと遺伝子の組み換えという、非常に重要なところ。それがいきなりストンと入ってくるというのは、非常に大きい変わり様です。細部の変更点でいいますと、もうとにかく細かくなってます。

どのように細かくなったか
各章とも、従来、発展や参考という箇所でプラスアルファで書き込まれていた内容があるんですが、それが非常に多くなっています。

細かくなって変わること
例えば、今まで大学のテキストや生命科学の基礎などで掲載されていた内容が盛り込まれてくるところがあります。
確かに細かい部分まで理解はできるようになりますが、果たして吸収しきれるかどうかという問題も出てはくるので、生徒の皆さんが大変なのかな、ということになります。

新課程と旧課程 一覧

新課程 旧課程
①生物の進化 ①生物現象と物質
・生命の進化、生命の起源 ②生殖と発生
・生物界の変遷、地球環境の変化 ③生物の環境応答
・遺伝子、減数分裂 ④生態と環境
・染色体の乗り換え ⑤生物の進化と系統
・遺伝子の組み換え
②生物現象と物質
③遺伝情報の発現と発生
④生物の環境応答
⑤生態と環境

勉強の順番は?


並木先生

続いての質問です。勉強の順番なんですけど、どのような順番で勉強していけば良いでしょうか。


松本先生

これは従来の生物も生物基礎も同じなんですが、今回も含めて分量は年々増えてきてますので、まずは教科書の内容を徹底的に理解すること。当たり前なんですけど、地味なようで一番近道なんですね。

まずは教科書を
特に、国公立も私大医学部も含めて、穴埋めなどは教科書の太字の部分から出題したりしますので、太字をきちっと覚えましょう。
そして覚えるだけではもう、これからの生物は太刀打ちできなくなってきますので、当たり前ですけど覚えるだけでなく、ちゃんとその用語の意味・内容を理解する。まずそこを徹底させる、というのが重要です。

生物基礎については
生物基礎の方も章立ては従来と変わらないんですが、内容が細かくなっていますので、結構吸収しなければならない分量というのは増えてきています。なので、まず教科書内容の徹底理解をやってください。


松本先生

当然これだけじゃ理解できないよっていうケースも出てくると思います。そうした場合インプット、アウトプットの1つの補足として、資料集を活用してもらうとより理解しやすくなってきます。

資料集の活用について
当然、各教科書や資料集も、新課程に沿って作ってきます。なので当然これは補足用としても入試用としても、1つの重要なファクターというか、参考になってきます。もっとも、それは従来から変わらないことではあります。

入試対策について
入試ですから、ただインプットするだけではなく、アウトプットも大事です。新課程は章立ても含めて内容がガラッと変わるため、それに伴って、特に教科書会社が発行してくる問題集などはその新しい章立てで作ってくるはずです。

なので、それでインプットした内容の確認を繰り返して、アウトプットできているかどうかを確かめると、少しずつですが確実に力がついていきます。

入試の実践力も当然ついていくということで、この原理原則でやってもらうと、ちょっと時間はかかりますけれども、入試に十分対応できる力がついていくのではないかと思います。


松本先生

あとは当然理解できない用語がでてくると思いますので、常に学校の先生とかにもう何でも聞いてインプットしていって…という形が近道なんじゃないかなと思います。

今後も役に立つ力
教科書内容を章立てで理解できているか、ちゃんとアウトプットできるか、ということももちろん大事です。これを重ねていくと、生命現象同士の繋がりというのが分かってきます。

それまでには時間が結構かかるかもしれませんが、この考え方は大学に入っても、例えばその後社会人になっても結構使える、応用の利く考え方なんです。

受験を通して、そういうことを繋げていく作業というのをトレーニングして習熟してもらうと、生きる上でも非常に有効な武器になっていきます。そのあたりも少しずつでいいので身につけていくと、これは本番に強いです。試験で得点になり得ます。

かなり時間はかかりますが、一生懸命やっていれば必ず繋がっては来ますので、その辺りを学習しながら意識してもらうといいかなと思います。


並木先生

質問なんですけど、一番最初の「教科書内容の徹底理解」が、やっぱり初学者にとっては一番ハードルが高いと思うんです。何か工夫の仕方や、おすすめの方法はありますか?

📝生物は情報量がすごく多いので、いきなり教科書を読み出すと眠くなってしまったり、全然頭に入らないという人は、やっぱり大勢いると思うんです。

もちろん

・マーカーを引く人
・ノートにまとめてる人
・書き込みノートを使う人
・音読する人

など、諸説、個人差、いろいろなパターンがあると思いますが、何かおすすめの方法があれば教えてください!


松本先生

おそらく一番確実にインプットできるかなというのは「教科書の太字を、ちょっと時間あるときにノートに書く」という方法です。

太字を書き出す方法とメリット
例えば教科書1ページに1つくらいは太字があります。古い教科書も1~2つ、多い時はもうちょっとありますが、1つの重要語につきそれに関連する説明が載っています。ですから太字をちょっと時間のある時にノートに書いてみますと、周辺の文章に目がいきます。

例えば「遺伝子重複」という太字の用語があると「減数分裂の時の組み換えの異常の時に起こる」という説明がサッと書いてあったりするので、そのあたりをノートに一言書きます。

すると、例えば穴埋めや入試問題については「基本は教科書」というのが約束事ですから、そういう記述を書いておくと、頭のどこかに残ります。これで暗記が苦手な方も結構インプットできるのかなと。ちょっと地味な作業ですけれども。

だいぶ苦手な方は、旧課程の教科書に伴う教材でもいいんです。それでも結構重要用語があります。それで用語集みたいにして書いて、穴埋めしていくというのでも、有効な手立てになると思います。


松本先生

やっぱり書くっていうのは一番確実ですよね。入試はパソコンじゃないので、身体感覚で書きますから。


並木先生

そうですよね、だから理想は要約するというか、自分で重要なところを見つけてノートにまとめるのが理想ですよね。


松本先生

そうです、それが理想です。


並木先生

ただすごく時間がかかったり。


松本先生

かかりますね。


並木先生

頭も使うから、相当な負荷はかかるでしょうけどね。


松本先生

でもそれは時間をかけた分、いざというときには、かなり武器になっていくというね。まぁちょっと時間のかかる科目ですね。


並木先生

そうですね。膨大な量を見てるだけで戦意喪失する感じの。


松本先生

はい。新課程の教科書に載っている内容の一部は、大学の教科書に載っている内容ですよ。


並木先生

本日は貴重なお話をありがとうございました。

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究進塾 編集部

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