2024/6/18

岩手医科大学-英語の傾向と対策-

こんにちは。究進塾 編集部です。

今回は、岩手医科大学医学部の、入試の解説です。

この大学は、入試問題の形式に特徴があります。

2022年度の過去問を参考に、岩手医科大学医学部の問題の傾向、そして対策のポイントについてお伝えしていきます。

📝この記事のポイント
・出題の特徴
・大問構成と内容
・出題に合わせた、具体的な対策方法

はじめに
こちらの記事は、究進塾の講師、細田朗先生の解説動画を参考に、解説しています。音声を聞ける環境の方はぜひ動画をご覧頂き、細田先生の講義の雰囲気を掴んでいただければと思います。

動画紹介
【究進塾】医学部受験チャンネル
【2022年版】岩手医科大学-英語の傾向と対策-(所要時間: 17分04秒)

講師:細田朗
早稲田大学教育学部英語英文学科卒。 第二言語習得法に基づいた音読を重視した英語指導法が特徴。TOEIC945点。英検1級取得。医学部受験生への指導経験・合格実績も豊富な講師です。☆医学部受験対策の詳細はこちら

 

 

岩手医科大学の問題の特徴

この大学の入試の英語は、共通テストの前身であるセンター試験と似ているところがあります。

センター試験の時代を知っている者としては馴染みがありますが、共通テストに変わった後に大学入試を受ける世代にとっては、あまり馴染みがないかもしれません。

問題の傾向

解答時間

解答時間:英語と数学合わせて120分

制限時間の中で、英語と数学の両方を解いていくことになります。英語に時間を使いすぎると数学の時間がなくなるし、逆もまた然りです。

それなりに速い処理スピードが要求されます。

なぜなら、大問数は全部で7問、それなりに問題量があります。

120分という時間を、単純に半分に分け

・英語60分
・数学60分

とした場合、60分以内に大問全てに解答するのは、なかなか厳しいと思います。

できないことはありませんが、割と速い処理スピードが要求されるということは、頭に入れておいてください。

解答形式

解答形式:完全マークシート方式

記述問題は、少なくとも近年は出ていません。

出題内容

大問数:7問

大問1:長文読解
文中の空欄に当てはまるものを、選択肢の中から選んでいく形式です。

大問2:発音、アクセント問題
下線部の単語と同じ発音を持つものを選ぶ問題、もしくは、同じ場所にアクセントを持つものを選ぶ問題です。

こういう発音・アクセント問題はセンター試験には毎年よく出ていた問題です。

しかし共通テストに変わってからは、あまり見なくなりました。

共通テストになって以降に入試を受ける受験生は、この問題の形式にも慣れておく必要があります。

大問3:文法・語彙・熟語問題
比較的、一般的な形の問題です。

大問4:会話文
会話文の中に空欄があり、当てはまるものを入れていく問題です。

大問5:不要文削除問題
1つ1段落分ぐらいの文章があり、その中に4つ下線が引かれています。

このうち、文章の流れに合わないものが1文だけ混ざっているので、それがどれかを見極めて選ぶ問題です。

これは、文章の流れをしっかりと読み取る力があるかを試しています。

これもセンター試験の時にはあった問題ですが、共通テストになってからなくなりました。

人によっては、特別対策が必要な場合もあります。

大問6:語句整序
並び替え問題です。

大問7:長文読解
大問1の長文読解と比べ、大問7は内容の理解を問われる問題が多いです。

 

以上のような大問7問を、英語・数学合わせて120分の中で解かなければなりません。

そのため、時間的な余裕は全くないと思います。

一度過去問を解いてみて、どれぐらいの時間でらどれぐらいの量を解かなければいけないのかを、実感をしておくといいと思います。

難易度

難易度:標準程度

注意点①

問題自体の難易度は標準的です。

英検2級~準1級レベルであり、医学部以外の学部と比べたら、多少難しいと感じますが、医学部の中では難しい方ではありません。

ただし、試験時間に対して問題量が多く、処理スピードが必要です。

あまり悠長に考えている時間はないと思います。

注意点②

次に、センター試験(共通テストの前進)と同様の傾向があり、多角的な能力が要求されることがポイントです。

他の医学部の試験では、出題の傾向が偏っている場合も多くあります。

しかし岩手医科大学の場合、センター試験とかなり傾向が似ていて、1つの分野だけの力が問われるよりも、

・発音
・文法
・会話
・不要文削除
・並び替え

など、色々な角度から受験生の英語力を試してくるというのが特徴です。

ですから、1つに偏った英語の学習だけしている場合、うまく対応できない可能性が出てきます。

注意点③

長文は、医療系のテーマが頻出します。

ただし難度の高い単語には注がついています。

長文のテーマは、やはり私立医学部らしく、医療系が多いです。

ですが専門的な用語に関しては、注がしっかりとついているので、医学系の単語を凄く覚えていかなければ解けないわけではありません。

むしろそれ以外の、医学部以外を志望する受験生と同じような、基本的な単語を、抜けなく押さえておく方が重要だと思います。

対策用テキスト

対策用テキストについては、特筆すべきもののみご紹介します。

文章系

英検 文で覚える単熟語 準一級
医学部を受けるのであれば、英検準1級レベルの英語力は、ぜひ欲しいところです。

その英語力、特にリーディング力を鍛えてくれるのが、この参考書です。文章の中で単語を覚えることができるので、単語の定着度も上がり、かつ文章の読解力も高まっていきます。

 

私立医大の英語
医学部の英語
これらのような、医療系のテーマの文章を集めた参考書もおすすめします。

ただし、必ずしも医療系の単語などを知っていなければいけない訳ではありません。

ですから、英検準1級レベルの文章が読めるようになった後に、余裕があればこうした参考書をやっていくのが良いです。

最悪やらなかったとしても、合格ラインには到達できるでしょう。

文法系

VINTAGE
Next Stage
文法を網羅している参考書であれば、正直これに限らず、何でもいいと思います。

学校で配られたもの、自分に合ってると思うものを使用して構いません。

 

大学受験スーパーゼミ 全解説頻出英文法・語法問題1000
問題集はこちらがおすすめです。

学習の方針・ポイント

一言で言うと「多角的な学習をしよう」です。

受験生の勉強は、どうしても何かに偏りがちです。

・単語ばかりやる
・文法ばかりやる
・リーディングだけをやる

といったように、バランスよく学習をせず、自分の得意なもの、好きなものばかりに偏ってしまう場合が多くあります。

しかし岩手医科大学の問題は、

・発音
・アクセント問題
・文法
・長文
・並び替え問題

など、色々な角度から受験生の英語力を試してきます。

ですから、偏った学習ばかりしていると、うまく対応できないという事態になりかねません。

そのため、「多角的な学習をしていこう」というのが学習の方針として大事なポイントとなります。

具体的な学習方法

多角的な学習の方法について、4つの具体的な方法をお伝えします。

①文章を大量に読む

長文読解ができない生徒というのは、実はそもそもあまり長文を読んでいない場合が多いです。

単語ばかり、文法ばかりといった偏った勉強をしていたりする方が多いです。

また、長文をやっていたとしても、1つの長文にすごく長い時間かけていたり、ひたすら解説を聞いたりしている場合が多く、様々な種類の長文をたくさん読む経験を積んでいない場合が多くあります。

当たり前ではありますが、長文を読む力は、長文を読むことによって身に付いていきます。

普段あまり長文を読めていないという人は、すぐにでも、日々たくさんの長文を読んでいくことを実践してください。

②文章の内容を説明する

次に「文章の内容を説明できるか」が大事です。

ただ単純に文章の内容を読んでいるだけでも、英語力は結構ついていきます。

しかし、岩手医科大学の場合、不要文削除問題が出題されます。単純に英語の意味がわかるだけでなく、文の流れを掴む力が必要です。

この文の流れを読む力というのは、ただなんとなく文を読んでいるだけでは、身につきづらいものです。

ではどうするかというと、自分の言葉で、文章の内容を説明する手法を使います。

内容を説明をすることは、文の流れを掴んでいなければできません。説明の練習をしていけば、自然と文章の流れを掴む力は養われていきます。

大量に文章を読みつつ、読んだ文章の内容を自分の言葉で説明できるか、ぜひ試してみてください。

説明する相手がいない場合は、独り言でも全く問題ありません。

③音源を使う

岩手医科大学の問題には、発音・アクセント問題があります。

発音、アクセント問題は、多くの受験生がおろそかにしがちで、あまり対策をしないままにしてしまいます。

しかし、受験期直前になって少しくらい勉強したとしても、なかなか点数が上がるものではありません。

文章を目で読むだけだと、音に慣れることができません。すると、いざ発音アクセント問題を見たときに、どうしていいかわからなくなってしまいます。

解決方法としては、たくさん文章を読んでいく中で、読み終わった後に音源を使った学習を、必ずするようにしてください。

そして、ただ音を聞くだけではなく、なるべく自分の口からも発音をしてください。

例えば「シャドーイング」と呼ばれる練習法があります。そういう練習を行って、自分の口で音源と同じような発音ができるようにしていきましょう。

そうして普段の学習から音源を使い、しっかり自分の発音の能力を向上させていくと、発音・アクセント問題は対応できるようになります。

④アウトプットする

最後に、アウトプットしているか、ということが大事です。

岩手医科大学の問題には、

・並び替え問題
・語句整序問題

がありますが、文を並び替えるというのは、いわば「自分で英語を生み出す力」、つまりアウトプットの力を使うことです。

普段の学習の中でアウトプットする練習をしっかり行っていると、語句整序問題は解きやすく、対応しやすくなります。

ただ、英会話でも自由作文でも、何でもいいからアウトプットする方法よりは、例えばおすすめした参考書(『VINTAGE』『NEXTAGE』など)を使って練習していくのが良いです。

英文の下についている日本語訳を、口頭でもいいので英語に直していくというやり方でアウトプットすると、重要な文法というものが定着していきます。

この練習を行うことで、重要文法を含む箇所を並び替える問題に、対応しやすくなっていきます。

まとめ

岩手医科大学の入試対策について、具体的な学習方法をお伝えしてきました。

そもそも多角的な学習をしていこう、ということがポイントです。

その具体的な方法として、

①文章を大量に読んでいるかどうか
②文章の内容を自分で説明できるかどうか
③音源を使っているかどうか
④アウトプットしているかどうか

これらを自分に問いかけ、もしそれができていない場合は、すぐにでもこうした方法を原則に学習しましょう。

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究進塾 編集部

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