2023/11/7

【総合型選抜】プレゼンテーションの作り方

こんにちは。究進塾 編集部です。今回も総合型選抜に役立つ情報をお届けしたいと思います。

総合型選抜試験では、プレゼンテーション試験を課す大学があります。プレゼンテーションの対策とは、具体的に何をしたらいいのか、どのようなことに気を付けたらいいのかなど、尾川講師の解説からご紹介します。

📝この記事のポイント
・まずはじめにやることは?
・効果的なプレゼンテーションのやり方は?
・自己PRはどうやって作るのか?

はじめに
面接・小論文対策の授業は、尾川講師が担当しております。この記事は下記の動画を参考に執筆しておりますが、音声が聞ける環境にある方はぜひ動画を見ていただき、尾川講師の雰囲気を知っていただければと思います。

尾川直子講師

上:【総合型選抜】プレゼンテーションは○○に気をつけよう!(所要時間3分18秒)
下:【総合型選抜-プレゼンテーション】”使えるもの”の使い方&自己PRの作り方(所要時間5分15秒)

尾川直子講師
株式会社熊本放送に総合職として勤務し、アナウンサー、ディレクター等を経験。
その後、2003年から大学受験、医学部受験等の面接、小論文の講師として活躍中。

 

プレゼンテーション対策ですべきこと

実際にあった入試を例に、プレゼンテーション対策ですべきことについて見ていきます。
(例)2023年度 神奈川大学経営学部国際経営学科 公募制自己推薦入試スポーツ活動部門

出題されたテーマ:「経営学部国際経営学科への志望動機に加えて、出願した「スポーツ活動」部門において、あなたが高校時代に力を入れてきたことの成果やそれによって獲得したことを、大学進学後にどのように生かすのか」

こちらの総合型選抜入試を例に、次の手順で対策をしていきます。

まず最初にすべきこと

テーマの確認
まずは「何をプレゼンテーションするのか」を把握するところから始めます。出題されたテーマを読み、求められている内容をきちんと理解します。

この「テーマの把握」という作業ですが、最近の高校生は少し苦手です。この事例の場合でいうと、4つの事柄を紹介する必要があります。

・志望動機
・高校時代にスポーツ活動で力を入れたことの成果
・獲得したこと
・獲得したことを大学でどのように生かすか

考えられるミスとしては、これらのうち「成果」の要素を書き忘れてしまうなど、項目の「漏れ」が起こり得ます。こうした漏れには十分気をつけましょう。

時間の確認
次に必要なのは、プレゼンテーションに使える時間の確認です。この試験は10分となっていました。

1分300字話せると仮定すると、単純計算では300字×10分=3,000字となります。しかし、これだと緩急をつけたり、ポーズを取りながら話す時間が含まれていません。話し方に工夫を加える事を考慮すれば、2,500字程度で良いといえます。

用意するものを確認
次に、プレゼンテーションをする際に用意するものの確認が必要です。今回の試験でも下記の条件がありました。

〇ホワイトボードの使用、出願部門に関する資料の持参
✕資料の提出・配布、パソコンやスクリーンの使用不可

こうした条件の中で、どのようなプレゼンテーションを行うのかを決めていきます。

原稿を書く際に注意すべきこと

こうした条件が揃ったら、原稿を書いていきます。原稿を書くときには、小論文と同じで、意見に対しきちんと根拠を入れていきます。かつ、プレゼンテーションということを意識し、書き言葉を話し言葉に変えていきます。

ただし、この場合の話し言葉は「改まった場面での話し言葉」であることを忘れてはいけません。「なので」「部活」など、普段はよく使う言葉ですが、くだけた言葉です。また、改まった言葉とは言っても、必要以上に改まる必要はありません。

◯◯にて・◯◯において⇒「◯◯で」
しております⇒「しています」

上記2点はこれで大丈夫です。

また、「志望校」と言いたい場合には「貴学」という言葉を使用します。面接先が「会社」である場合は、書き言葉として「貴社」、話し言葉として「御社」と言われています。しかしこの理屈で大学のことを「御学」と言ってしまうと、「音楽」と音が同じになり、聞き手が意味を混同してしまう可能性があります。こうした理由から、話し言葉の場合でも「貴学」を使うようにします。

このような工夫をしながら、原稿を作っていきます。

一覧:くだけた話し言葉⇒改まった話し言葉への言い換え

「なので」→「したがって、そして、そこで、そのため」

「部活」→「部活動」

「朝練」→「始業前の練習」

「自主練」→「自主的に練習」

「スタメン」→「スターティングメンバー」

「部活終わりに」→「部活動が終わってから」

「結果」→「その結果、結果として」

「正直嬉しかった」→「嬉しかった」

「私(わたし)的には」→「私は」

「AとかBとか」→「AやB」

「やっぱり」→「やはり」

「みんな」→「皆」

「子」→「人、友人」

「ゼミ」→「ゼミナール」

「卒論」→「卒業論文」

効果的なアイテムはどれか

プレゼンテーションでアイテムの使用が許可されている場合があります。例としては、以下のようなものがあります。

・スケッチブック
・パワーポイント
・ポスター

こうしたアイテムをどうしたら効果的に使えるのか、というポイントを押さえておきましょう。

スケッチブック
スケッチブックが許可されている場合、B4サイズを用意します。B5用紙2枚分の大きさです。そして実際に書くときにも注意すべき点があります。

・文字が小さくならないようにする
・写真をうまく使う
・余白を作る

スケッチブックは、スピーチと連動させて作成します。わかりやすい言葉や写真を使って、スピーチの内容を補完するようにします。さらに、スケッチブックの裏側にスピーチ原稿を貼っておくと、より話しやすくなります。

表面(相手に見せる面)。

裏面(自分側)に原稿。

パワーポイント
パワーポイントの場合も、スケッチブックと同様に、文字が小さくならないように気を付けて作成します。

パワーポイントで資料を作成していると、つい様々な色を使いたくなったり、スライドの枚数も増えてしまいがちです。

しかし、あまりカラフル過ぎるとかえって見づらくなってしまうので、色の増やしすぎに注意する必要があります。

そしてスライドの枚数も、あまり増やしてしまうと、次々にページを変えながら話すことになります。そうすると自分も忙しくなりますし、聞いている側も落ち着きません。

目安を守って作成しましょう。

<パワーポイント作成時の目安>
・フォント:ゴシック体が見やすい。
・色:色の増やしすぎに注意。
・スライドの枚数:1~2分に1枚が目安。

ポスター
伝えたい情報を整理し、伝えたいことを箇条書きすることから始めてみましょう。

<ポスター作成の基本>
・揃えること
・まとめること
・めりはりをつけること
・余白を設けること

小論文では「:(コロン)」などの記号、体言止めの表現はNGとされていますが、ポスターではOKです。文章をだらだらと書かず、そうした工夫をして、すっきりと表現していきましょう。

自己PRの作り方

総合型選抜の入試では「自己PRのみを1分間のプレゼンテーションで」と求められることもあります。

1分間の自己PRをどう作るのか、ということですが、自己PRは「強み」と「エピソード」で作っていきます。

強み
強みをPRする時には、次のように紹介します。

「私の長所(強み)は○○なところです」
「私には○○力があります」
「私は○○が得意です」

得意なことの内容は「英語が得意」「水泳が得意」というようなスキル面の要素ではなく、「人を励ますことが得意」「人に寄り添うことが得意」のような、性格的な良さ、キャラクターやマインドの魅力が伝わるような内容を選びます。

エピソード
エピソード作成は「STAR」の順番で作っていきます。

<STAR>
・Situation    :状況
・Target / Task:目標 / 課題
・Action   :行動や努力
・Result   :結果

この順番通りに書いていくと良いです。

Situationはそのエピソードが始まったときの状況、Targetはその状況に対しどのような目標を立てたかについてです。エピソードによって「目標」が立てやすいもの、立てづらいづらいものがあります。

目標を立てやすいものとしては、勉強や部活動などが挙げられます。この場合は次のようなことが目標になります。

「クラスで何番以内」
「英検準1級に合格する」
「スターティングメンバーに選ばれる」

しかし委員会活動、ボランティア活動などを紹介するとなったとき、「目標」という形では言いづらく感じると思います。

その場合は「Target = 目標」ではなく「Task = 課題」と考えます。例えば図書委員会を真剣に取り組んだという場合であれば、次の様な課題が考えられます。

「借りた本を指定期日までに返さない人が多いといった課題がありました」

こうした課題を設定し、これを解決するため、目標を達成するために、どのような行動や努力をしたのかを具体的に話していきましょう。

最後の「Result 結果」については、目標に届かなくても大丈夫です。「残念ながらスターティングメンバーには入れなかったのですが、こういう経験ができた」というように話します。目標を目指したことによって、その行動や努力から得られたことについて紹介しましょう。

最後に話し方ですが、エピソードの終わりに「以上です」と言う人もいます。これは言わなくても結構です。どういう場合に使うと効果的なのかというと「話が終わったのかどうかが分かりにくくなってしまった」場合です。

人前で話すときに緊張してしまって、ぴしっと言い終わることができなかった時には、「以上です」と言うことで、面接を担当される方にとって「ああ、終わったんだな」と分かりやすくなります。そういうときにだけ「以上です」と言って終わるようにしましょう。

使えるものの使い方

・テーマ、時間、使える物を確認

・求められる内容を元に原稿作成

・使えるものの特性を理解し作成

自己PR

・キャラクターの魅力を伝えよう
・強みとエピソードの2つで作る
・目標に届かなくても大丈夫!

おわりに

究進塾では面接対策、小論文対策の受講が可能です。受講にご興味のある方やご質問などのある方は「無料体験授業をご希望の方」からお気軽にお問合せください。

 

究進塾 編集部

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