【日大付属】高3-9月 基礎学力到達度テスト 英語 大問2(A)「文法・熟語」対策
皆さんこんにちは。今回は基礎学力到達度テストの過去問から、文法・熟語対策について解説します。
高校3年生9月の大問2(A)を例に、出題の傾向と、文法についてどう学んだらいいのか、学習ポイントについて見ていきます。

早稲田大学教育学部英語英文学科卒。 第二言語習得法に基づいた音読を重視した英語指導法が特徴。TOEIC945点。英検1級取得。日大付属生への指導経験も豊富で基礎学対策に精通した講師です。☆基礎学対策の詳細はこちら
大問2(A)の解説
ではさっそく過去問について見ていきますが、今回の解説はあくまでも傾向を見て対策について解説するものです。細かい文法の説明などはできません。わからない単語や知らない文法があった場合、ご自身で調べるなどして解決してください。
大問2(A)は、問11~14までの4問です。この形式は例年一緒です。
(A)次の英文の” ”に入れるのに最も適切な語を①~④から1つ選び、番号で答えなさい。
問11 問12 問13 問14 |
1問ずつ見ていきます。
問11
選択肢を見ると「 wherever, whenever, whatever, however 」とありますが、これらは全て複合関係詞と呼ばれる、高校2年生ぐらいで習う文法です。文法と言ってはいますが、意味を知っていて文脈に沿うものが選べれば解ける問題です。(A. ③whatever)
問12
「only to do」という不定詞の定型表現を知っていれば解ける問題です。これも高校生で習うぐらいのレベルです。(A. ④only)
問13
「far from」という表現、これは熟語です。これも知っていれば解ける問題です。(A. ④far)
問14
「with」が入ります。「付帯状況のwith」と呼ばれる文法を知っているかどうかが解答のポイントです。これも高校1年生ぐらいで学ぶような内容です。選択肢を見ると他を入れようがないので、付帯状況のwithを知っていれば解けるという問題です。(A. ①with)
出題の傾向
①難易度
難易度は高1~高2レベルです。複合関係詞は高2ぐらい、付帯状況のwithは高1ぐらいです。少なくとも高校生の早い段階で学ぶようなものなので、全体として高1~高2ぐらいのレベル、英検で言うならば準2級か、高くても2級ぐらいのレベル、といったところです。
どちらにせよ高校の基礎的な部分の内容から出ているので、難易度としては高いということはないです。かなり基本的、基礎的な内容が出されています。
②出題範囲の特徴
特徴としては、浅く広く出題されることが挙げられます。この問題だけだとわかりませんが、過去問を見ても1か所に絞られて出題されるというような限られた出題範囲はあまりありません。「ここだけ勉強しておけばいいよ」とは言えない出題になっています。
ただ、範囲は広いですが難しくはありません。広く浅く出題されるのが特徴です。
文法について深く理解するのも良いですが、深くなくても満遍なく勉強しておけば解けるのでは、というのが出題傾向です。
③シンプルな出題
知っていれば解けるシンプルな出題という特徴があります。例題の選択肢を見ると、他の選択肢と間違えることは基本的にはないだろうという問題になっています。
普通の大学受験を見ると、他の選択肢ともっと迷わせてくる問題が多いです。文法についてすごく深く理解していないと引っかかってしまうような、かなり精密な文法知識を問われるものが大学受験には多く見られますが、基礎学に関しては正直、意味がわかってさえいれば解けてしまう問題が多いです。
このように、知っていれば解けるようなシンプルな出題というのが3つ目の傾向です。
学習のポイント
文法学習のポイントは3つあります。
①わかるより、できるを目指せ
文法学習する人が陥ってしまいがちな1つの落とし穴として、文法をわかったことで満足してしまうことがあります。
例えば、学校で文法の、関係代名詞の授業を受けたとします。残念なことに学校の先生の授業がわかりづらくて「関係代名詞って何だかよくわからないな、あーモヤモヤするな」という状態になったとします。家に帰ってスマホやパソコンで「関係代名詞 わかりやすく」などと検索し、すごくわかりやすいサイトや動画が出てきてすっきりする。こうした経験はありませんか。
このように、文法を理解したことによってすっきりしてしまい「よし今日の英語学習はこれで終わり!」と終わってしまう人がすごく多いです。
ですが、考えてみてください。この状況、結局、英語を何もやっていませんね。文法をやってはいますが、実際にその文法を使って何かできるようになったわけではありません。文法というのは、いわば英語のルールみたいなものであり、この段階ではルールを理解したというだけで、実際には何もできるようになっていないんです。
こういうことが英語学習、特に文法学習では起こってしまいがちです。なので文法学習をする上での目標は、あくまで英語ができるようになること。これを目指してほしいです。
文法は英語ができるようになるための手段であって、文法を学習することそのものがゴールにならないように気をつけてください。
②実践経験を積め
最終的に英語ができるようになりたいので、そのためには実践的な経験を積んでいく必要があるわけです。スポーツと一緒で、ルールがわかったところで、そのスポーツができるようにはならないわけです。
例えばサッカーでオフサイドというルールがありますが、何の実践経験もない人やサッカー超初心者にはオフサイドがどういうことなのか、ピンとこないはずです。でもサッカーの実践経験を積んでいけば、こういうことをしたらオフサイドなのか、とわかったりするわけです。
英語もそれと一緒で、英語の文法をちゃんと理解して納得したいと思った場合、ただ文法書を読むだけでなく、実際に英語を読んだり聞いたり、書いたり喋ったりしていく中で、徐々に体で納得していく必要があります。
なので実践経験を積め、というのが学習のポイントの2つ目です。
③最初から完璧を求めない
文法学習する人は、大まかに2通りのパターンに分かれます。文法を全くやりたがらない人と、逆に文法を隅々まで理論的に理解したい人がいます。
特に文法をちゃんと理解したい人にありがちなのが、文法を最初から完璧にしようとしすぎる傾向があるということです。もちろん理解しようとする姿勢はいいのですが、文法は実戦経験を積みながら少しずつ吸収していくものなので、最初から100%理解することは基本的にできません。
例えば中学で習うSVOCのような文型がありますが、あれも最初から完璧に理解することはできません。高校になってたくさんの文法や文章に触れていく中で「目的語ってこういうことなんだな」「補語ってこういうことなんだな」というように、後からわかってくるものもあります。
なので文法を学ぶときのポイントとしては、もちろん理解するようには努めてほしいですが、最初から完璧を求めないことを意識するといいと思います。
おわりに
今回の解説は以上です。
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