2023/7/5

【日大付属】高3-9月 基礎学力到達度テスト 英語の傾向と対策

今回は2022年度版、高校3年生9月の基礎学力到達度テストの英語の傾向と対策について扱います。

基礎学力到達度テストと定期テストを比較すると、問題の傾向は結構違います。学校の定期テストで「最低限の点数だけ取ればいい」という勉強をしていた人は、基礎学力到達度テストの問題で意外と点数が取れずに焦ってしまうことになりかねません。

今までにそういう生徒をたくさん見てきました。そうならないために、今回は問題の傾向と対策のポイントについてお伝えしていきます。

講師:細田朗
早稲田大学教育学部英語英文学科卒。 第二言語習得法に基づいた音読を重視した英語指導法が特徴。TOEIC945点。英検1級取得。日大付属生への指導経験も豊富で基礎学対策に精通した講師です。


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問題の傾向

まずはぜひ一度、基礎学力到達度テストの過去問を自身で解いてみてください。実際に問題を解いた経験があって解説を読むと、実感を持って読むことができ、しっかりと頭にも残ると思います。

制限時間と解答形式

解答時間:70分
英語があまり得意でない人からすると、もしかしたら厳しい制限時間かもしれません。逆に、ある程度英語の基礎的な力がある人は、十分余裕をもって終わらせられる程度の制限時間です。

解答形式:完全マークシート方式
記述式は今のところ出ていませんし、今後の出題も考えにくいです。

これくらい大規模なテストとなると、記述式を導入した場合に配点・採点などがものすごく面倒なことになるので、記述式の試験は今後も出ることはないと思われます。

出題内容

大問は全部で5つあります。

内容と配点

大問1:リスニング(2点×10問)計20点
大問2:3パートあり(2点×13問)計26点
  パートA:文法・語法・熟語系の空欄補充
  パートB:会話文系の空欄補充
  パートC:語句整序(並び替え)
大問3:グラフ読解(3点×4問)計12点
大問4:空欄補充×2(2点×9問)計18点
大問5:長文読解(3点×8問)計24点

大問3の「グラフ読解」は、グラフとそのグラフに関連する文章を読んで問題に答えていく形式です。グラフ読解とはいえ、グラフそのものを読む能力は特に必要なく、グラフ自体のレベルは小学生も読めるようなものです。配点は3点と高めです。

大問4は文章の空欄補充です。200語程度で、長文とは言えない程度の文章にいくつか空欄があり、当てはまる単語や文法的要素を当てはめていく問題です。読解力に加え、語彙力や文法の知識が試されます。

大問5が長文読解です。600語程度、A4用紙1枚くらいの長文です。

難易度

全体としては英検3~2級レベルで、難問はありません。

基礎学力到達度テストの問題の中でも、大問によって難易度に差があります。1番簡単なレベルだと、英検3級~中学卒業程度です。1番高いレベルは英検2級~高校卒業程度です。学校で習わないレベルの難問は出題されません。本当に基礎的な英語について問われます。

・大問1「リスニング」、大問2 B「会話文」

この2つは難易度が低めです。リスニング会話文は、英検3級レベル=中学卒業くらいのレベルです。

英語力があまりない人、テスト本番の時間がない場合、まずこの「リスニング」「会話文」を確実に取れるようにしていくことが重要です。

ここから対策をしていきましょう。

・大問2 C「語句整序並び替え問題」 

英検2級レベルまでを問われる、難易度が高い問題です。

一見すると簡単そうに見えますが、問われている文法自体の難易度がやや高いです。また、「自分で単語を並び替える」というのは作文に近い作業なので、単純な読解や意味を理解することと比べると難しくなります。

こうした理由から、この大問2Cは、結構難易度が高いといえます。

・大問4「文章の空欄補充」

これも難易度が高いです。

文章そのものの難易度が結構高く、英検2級レベルの単語と文法の知識がないと解けない印象です。

・その他

他の問題も、英検準2~2級レベルで標準的な印象です。

・学習計画の立て方、優先順位

対策の優先順位としては、

最初:リスニングと会話
最後:語句整序と大問4など

この順序で対策していく、という形になります。

・今の自分の英語のレベル
・現時点から基礎学までの期間

こうしたことを考えながら、どういう順序で、どこまで対策をするのかを決めていく必要があります。

対策用テキスト

次におすすめの対策用テキストをご紹介します。

①教科書

基本的には、まず学校の教科書をしっかりと使っていくことが大事です。

教科書の利点
・学校の先生からある程度の解説を受けている
・テスト勉強をしたことがある

色々な参考書に手を出すよりも、学校の教科書を使うのが良いです。1から勉強する必要がないので早く学習を仕上げることができます。

②単語帳

単語帳に関しては、英検2級レベルまでの単語を含む単語帳をおすすめします。例えば『ターゲット1400』などです。

学校によっては、基礎学で必要なレベルを超えている単語帳を使っている場合もあります。

まずは「そもそも自分の使っている単語帳が、本当に基礎学にとってちょうどいいレベルなのか」を、一度考えてみましょう。

③参考書

そして文法網羅系参考書についてです。学校で配られてるものがあれば、それを使用すれば良いと思います。

ない場合には『Next Stage』などがおすすめです。もれなく文法を学習することができるような参考書が、1冊あると良いです。

④過去問

最終的には、基礎学力到達度テストの過去問を使い、実際の問題形式に慣れていくことが必要です。

その中で自分に足りていない部分があれば、上記の教科書、単語帳、参考書を使って固めてます。

そしてまた過去問を解く、これを繰り返していきましょう。

学習方針と学習のポイント

基礎学力到達度テスト対策をしていくうえで、学習には3つのポイントがあります。

「学校教材を定着させること」
「音源を常に使うこと」
「長文読解を中心に学習すること」

この3つです。

なぜこの3つが必要なのか、理由は次の通りです。

①学校教材を定着させる

基礎学の対策をしたい受験生の中には、何を使ったらいいかわからず、教材選びで迷っている人もいると思います。

「リスニング対策にリスニング用の教材がいるのかな」
「並び替えの対策に並び替えの問題集も必要なのかな」

ただ、基礎学で高得点を取るために必要な知識は、今持っている学校の教材の中に、全て含まれている、と言っても過言ではありません。高校3年生であれば特にそうです。

つまり、下手に色々な参考書に手を出すよりも、既に使用していて自分にとって馴染みのある学校の教材をしっかりと定着させることが、一番の近道だと言えます。

なのでまずは、今自分が持っている学校の教材をしっかりと復習していきましょう。

注意点

1つ注意してほしいことがあります。

基礎学の対策をするときは、学校の進度とは別に、自分でしっかり復習する時間を設けましょう。

学校の授業や定期テストは、限られた範囲の内容をやります。学生もそれに合わせ、限られた範囲だけを勉強することが多いです。

そうすると、前に勉強したことをどんどん忘れてしまいます。

基礎学では、満遍なく広い範囲からの出題があるので、学校の定期テストや今の授業内容とは別に、しっかりと自分の苦手な部分を、学校教材を使って自分で復習するようにしましょう。

②音源を常に使おう

普段リスニングを勉強していない人にとっては、簡単ではない気がしてしまいがちです。

しかし、基礎学のリスニング問題は、意外と簡単です。対策をしっかりしていくと、すぐに点数が取れるようになります。

〇教材を使って勉強するとき
付属の音源を使ってリスニング系の学習を行っていきましょう。しっかりと文章を見て理解できるだけではなく、聞いて理解できる状態にしておくことが重要です。

学校教材で音源を使って、勉強を着実にしていけば、リスニング問題は割と早い段階で、聞ける実感が湧いてくると思います。常に音源を使って、学習を進めていきましょう。

③長文読解を中心に学習する

基礎学力到達度テストの問題には、読解力がないと解けない問題がたくさんあります。

例えば

・大問2の会話文
・大問3のグラフ読解
・大問4の文章の中の空欄補充
・大問5の長文読解

というように、多くの大問に読解が入っています。

読解力がなければ、基礎学で高得点を取ることは望めません。普段の学習でしっかりと、文章読解を中心に据えるようにしていきましょう。

基礎学の対策を指導する中で「単語と文法の学習はやっているけど、文章系の読解をあまりしてない」という生徒をよく見かけます。

どうしてそうなるのかというと、おそらく単語と文法は短時間でも勉強することができるため、手がつけやすいからだろうと思います。

ただ、長文・文章読解の力は、文章を読解していくことでこそ身につけられるものです。

どれだけ基礎学までの勉強期間が短かったとしても、どんなに急いで対策しなければいけないとしても、しっかりと長文読解の学習をするようにしてください。

基礎学の点数を上げるには

長文読解を中心に据えて、それを補助する形で単語・文法を学習するようにしましょう。

確実に基礎学の点数は上がっていきます。

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今回の記事に登場する参考書
旺文社『英単語ターゲット1400
桐原書店『Next Stage 英文法・語法問題

動画版解説

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